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「生活の質を豊かに、笑顔になるミキサー食」

Nさん(7歳)

 

 娘は先天性心疾患を抱えて産まれました。

生後3週間で心臓の手術を受け翌日、人工血管が詰まり急変し低酸素性虚血性脳症になりました。

寝たきりになってしまってから6ヶ月で退院し、お家での生活がスタートしました。

その頃は1日6回のミルクを鼻から注入していました。

食道裂孔ヘルニアがあり、吐き戻してしまうことも多く、誤嚥から肺炎になり毎月の様に入院していました。成長と共にミルクからラコールへと変更になりました。水分制限のある娘の成長にとっては高カロリーのラコールは不可欠なもので、ラコールのお陰で体重も増やす事ができましたが、とても美味しいと言えるものではありません。寒い冬に温かいものを胃に入れてあげたいと思い、どんなにラコールを温めても、注入ポンプの先から出てくるラコールは冷たくなってしまってました。娘はラコールが苦手なのか吐く回数も増え、吐かないように1回4時間かけて200mlを注入する毎日でした。吐く姿は辛そうで、吐かないように注入中はあまり身体を動かさないようにしていました。注入時間が短く済めば、もっとお外に連れて行ってあげたり、身体を動かしてあげられるのになあといつも思っていました。

 

 毎月の入院が続く中で、主治医の先生から胃瘻の話しを勧めて頂き、胃瘻にする事で逆流が少しでも治まり娘の身体も楽になればと4歳で胃瘻の手術をしました。胃瘻にした結果、娘にとって本当に良かったと思います。

 まず、胃瘻にしてミキサー食を始めてから、逆流により吐き戻す事がほとんど無くなりました。あんなに注入を始めると気持ち悪そうにしていた娘が、ミキサー食では気持ち悪くならず、更に注入時間も短くでき、身体を動かす時間も、外で日向ぼっこする時間も格段に増えました。私自身も家族みんなで一緒のご飯を食べられる喜びと、色々な食材をあげられる喜び、温かいままのご飯をあげられる喜びは大きく、ミキサー食をあげることが楽しみになっています。

現在7歳になった娘は、毎月入院していた事を忘れてしまうほど穏やかに過ごしており、胃瘻の手術をしてミキサー食を始めて以来、誤嚥性肺炎で入院した事は1度もありません。

 

 新規格コネクタも使用用途によっては良いところがあるのだと思いますが、使ってみたところネジ式はミキサー食をあげるには非常に使いにくく、洗いにくく、とても時間がかかりました。既存規格コネクタの方が断然扱いやすく、洗う際の負担もありません。

 どちらを使うのか選択出来るよう、これからも既存規格コネクタも是非残して頂ける事を願います。