食物アレルギーを持つ障害児者の健康のためのミキサー食①


★重度心身障害児者の病態に加えて「食物アレルギー」を持つお子さんがいます。幼いころから重度の食物アレルギーのある蓮くんのお母さんからお話を伺いました。蓮くんの食事はとても大変でしたが、今はこんな素敵な笑顔を見せてくれます。



☆幼いころから食物アレルギーのある蓮君の食生活は、大変なご苦労があったと思います。

いろんな制限がある中で、どの様にしてこられたのでしょう?

 

 乳のアレルギーがあるので一般的な栄養剤は使えません。在学期間の昼食はミキサー食の注入が出来ず、エレンタールP(成分栄養剤)を滴下注入していましたが、腸が健康な蓮にとって自宅でのミキサー食注入は健やかな毎日を支えるためにとても大切にしていることです。スキムミルクの代わりに大豆を使用している粉ミルク、バターの代わりはオリーブオイルを使いパン焼き器でパンを焼きます。パン、パスタ、焼きそば、フライ、何でもミキサーにかけて注入していますが、よく作るのは具沢山の味噌汁です。

 

☆ご家庭では「ミキサー食注入」を大切な食事方法として取り入れているのですね。

日々続けていくために工夫されていることや、困ったこと、嬉しかったことはどんなことですか?

 

  • 旬の食材を取り入れる

 安価で手に入りやすく、心身共に豊かになれます。

  • 家族と同じメニューを楽しむ

 調理の負担を減らすことができます。座位保持椅子に座り目線を合わせることで会話を楽しむ時間ができます。

  • 冷凍保存を活用

 多めに作った物を冷凍するときはミキサーにかけず、あえてそのままの形で冷凍します。劣化を遅らせ、食べる直前にミキサーにかけることで風味や美味しさを保つことができます。余裕がない時やお出掛けにも便利です。

  • 頑張りすぎない

 主食、副菜をまとめてミキサーにかけますが、自分が食べて美味しいと思える物を食べてほしいので必ず味見はしてます。

 

 最初はアレルギーがあるので家族の食事とは別に作っていて本当に大変でした。家族みんなでアレルギー除去のメニューにすることで気持ちが楽になりました。私が食べたい物がある時は冷凍保存した物を活用することでお互いに我慢することもありません。

同じ食卓を囲み同じ料理を味わうことが嬉しいようで、その時の蓮の笑顔を見ることが私の何よりの喜びであり、日々の原動力となっています。

 

☆食物アレルギーがあっても、家族みんなで囲める食卓に「ミキサー食」があることは素晴らしいですね。蓮君はどんな食事が好きですか?

 

 蓮に食べたい物を聞くと「唐揚げ」の言葉でニコーっと笑顔で答えてくれることが多いです。果物も好きで、誕生日ケーキは手作りパンをケーキの形にカットして豆乳の生クリームと果物でデコレーションします。もも、ぶどうをリクエストすることが多いです。

 

<インタビュアーのコメント>

 母親の気持ちとして、美味しく栄養のあるものを食べさせたいと願うのは自然なことですよね。食物アレルギーという壁がそこに立ちはだかった中、最初は家族と別の特別なミキサー食を作る作業を自分に強いる生活から、家族皆でアレルギー除去メニューに切り替えてゆく家族の愛情が何よりも素晴らしく感動しました。なんて素敵な家族なんでしょうね。

 次回はその第2弾です。お楽しみに!